以前、ユゴーの「内なる声」の日本語訳の著作の件で質問させていただいたのですが、原文が載った本を探しています。ご存知の方教えてください。
また、リストの《巡礼の年 第2年 イタリア》の第7曲
〈ダンテを読んで〉はユゴーの詩集「内なる声」から取られたタイトルだそうなのですが、関連性が分かりません。この詩の中に「Apres une lecture de Dante」という言葉があるのでしょうか?
曲と詩集の関連性についてもご存知の片、よろしくお願いいたします。
ベストアンサーを下さった方には、250枚差し上げます。
巡礼の年 第2年 イタリア(Années de Pèlerinage, "Italy")は7曲あり、7番目はDante Sonata(ダンテのソナタ)と呼ばれています。前半はダンテへのイメージ、後半部分はベートーベンの27番のイメージです。
「内なる声」(Les voix intérieures)は51編の詩から成り、Apres une lecture de Danteはその51のうちのひとつです。
前半の着想はダンテの神曲の地獄篇にある“strange tongues, horrible cries, words of pain, tones of anger”という表現によるものとされています。ユゴーはApres une lecture de Danteという詩のスタイルを用いた読書感想文(という言い方は失礼ですが)の中で、地獄篇に関する言及箇所です。作品自体が詩人(ウェルギリウスへの言及もあります。ウェルギリウスはダンテの師匠でもあり、神曲ではダンテを地獄から抜け出して天界へ導く指導者としても描かれています。)
ユゴーがこの詩を書いたときには、「オレ様」が書いたダンテ論ではなく、あくまで主役はダンテ自身と作品であり、ユゴーが書いたなんてどうでもいい、一読者が読んだ「偉大な作品」の感想との姿勢がありました。リストがユゴーの作品に着想を得て作曲したときも、ユゴーのその真意とダンテという永遠の師への畏敬の念を尊重し、ユゴーに言及せず、神曲に直接コメントしたのです。これは、いわば、ユゴーとリストの「内なる声」なのです。
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