2012年4月25日水曜日

クラリネットを始めて4年目の吹奏楽所属の者なんですが、今度スミス作曲のダンテ...

クラリネットを始めて4年目の吹奏楽所属の者なんですが、今度スミス作曲のダンテの神曲をやることになりました。




4楽章全部やるのですが、そのうちの「地獄篇」でオーボエソロがあるのですがうちの学校にはオーボエがないのでクラリネットで私が吹くことになりました。



この曲は今回の演奏会でメインとなる曲です。

ダンテみたいな大曲は、表現力も大事だと思って、ソロの吹き方もいろいろ試してみて試行錯誤しているのですが、まだしっくり来ません。



この前先生の前で吹いたら「一音一音歌おうと思わないでフレーズごとに歌おうと思って」と言われました。

私の吹き方は、一音一音に気をつかって音が後押ししてるように聞こえるそうです。



それを踏まえて練習してみたのですが、なんだかまだまだ表現力が足りないように思えてきて…。

あんまり気持ちを入れすぎるのもどうかと思うのですが、なんだかまだしっくり来ません。



表現力を出すにはどうしたらいいでしょうか?

ダンテの話もだいたいWikipediaで調べて読んだのですが、もっと詳しく調べた方がいいですか?



お願いします。







曲の中の旋律その他の音の動きの中には「一つ一つの音が重要な意味をもつところ」と「いくつかの音の連なりが重要な意味をもつところ」があります(もちろんその中間的なところも)。これは、私たちが話していることばと同じです。



ことばに例えて、考えてみましょう。「菊、梅、桜。これらはどの花もとても美しい」という文章をあなたが誰かに話しかけるとします。「菊、梅、桜」と話すときには、あなたは相手にそれら一つ一つの花をイメージさせるように、区切りながら話すでしょう。一方、後半を話すときには「これらは」だけでも「どの花も」だけでも「とても」だけでも「美しい」だけでも、何を伝えたいのかわかりません。一かたまりの文章として、区切らずにさらりと話しますよね。



曲を演奏するときも同じことです。いくら思い入れが強くても、一つ一つの音を大切にするあまり全体的な音の連なりがつくる流れが滞ってしまうと、伝えるべきものが伝わりません。逆に、一つ一つの音をないがしろにしてあまりにさらりと演奏すると思いが伝わらない部分もあったりします。曲の中で問題とする部分がそのどちらなのかは、吹奏楽団のメンバーとして演奏する場合には先生の判断に委ねてよいでしょう。



さて、質問に書かれているように、たとえば先生から「一音一音歌おうと思わないでフレーズごとに」と言われたら、どのように演奏すればよいのでしょうか。全体の流れを止めないように音の動きを滑らかに演奏するには、曲の拍子を細かく数えずに大きく区切って感じると効果的です。具体的には、例えばテンポの遅い4/4拍子の曲の場合、ふつう心の中では「い・ち・に・い・さ・ん・し・い」と数えていると思います。実はこの場合、4/4であるのにすでにさらに細かく8分音符刻みで(極端な場合には16分音符刻みで)数えていることになります。ちょっと難しいですが、このようになるのは日本語の発音にも原因があるそうです。それはさておき、拍子を大きく区切って感じるにはどうするか? まずは日本語はやめて英語で「ワーン・トゥー・スリー・フォー」と拍を数えましょう。ネイティブっぽい発音で拍を感じてください。ワンの「ン」はできるだけ次のあたまにくっつけて、スリーの「スリ」は同時に発音します。これで感じる拍の流れがかなりよくなるはず。



さらに、4/4であれば4分音符2個を一拍として、できるならば4個(1小節)を1拍として感じて曲を演奏すると、さらにフレーズのまとまりがよくなるはずです。3/4拍子であれば4分音符3個を1拍と感じて、6/8拍子であれば8分音符3個、さらに6個を1拍と感じて、曲を演奏するようにします。



それから、実際のフレーズを演奏する上では、そのフレーズの中でどの音符がいちばん重要かを考えましょう。一般にはフレーズ中でいちばん高い音がいちばん重要な場合が多いです。その音は、山の崖の上に花が一輪咲いているとイメージします。その音に向かっていくときは、花に向かって崖を登っているようにイメージしましょう。途中で気を抜くと、足を踏み外します。手が花に届くところ(いちばん重要なおと)まで行ったら手をいっぱいに伸ばして花を摘み、優しくふところにしまって、足もとに用心しながら降りていきます。そのようにイメージしながら演奏してみてください。



ここに書いたのは、私がいろいろな先生方や先輩方から教わったことです。それぞれ例えが多く、簡単に入り込めないかもしれませんが、とてもよい考え方だと思って実践しています。ほかにもいろいろな考え方があると思いますので、いろいろと試しながらがんばってよい演奏を目指してください。

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